COLUMN
世界のニコパフ事情を図解|普及率・使う年代・男女比・国ごとのルールと日本の位置
VAPE(ニコパフ)は、国によって「薬局で買うもの」だったり「持っているだけで罰金」だったりします。同じ製品なのに、扱いがここまで割れているものは多くありません。
この記事では、世界でどれだけ使われているのか、誰が使っているのか、ルールはどう分かれているのかを、図を中心に短くまとめます。そのうえで、日本がどこに立っているのかを見ていきます。
ニコチンには依存性があります。20歳未満の方、妊娠中・授乳中の方はご使用になれません。
世界では1億人以上が使っている
WHO(世界保健機関)は2025年10月の報告で、世界のVAPE使用者を初めて推計しました。
図解:世界でVAPEを使っている人(2025年の推計)
出典:WHO「global tobacco use trends」2025年10月6日公表。世界の成人のたばこ使用は5人に1人まで下がる一方で、VAPEの使用者数が初めて数字で示されました。
この報告でWHOがとくに問題にしているのが子どもです。データのある国で見ると、子どもがVAPEを使う割合は、大人の平均9倍でした。大人の禁煙の手段として広まった一方で、たばこを吸ったことのない子どもが入口として使い始めている、という指摘です。
普及率は国でまったく違う
同じ「大人のVAPE使用率」でも、国によって10倍以上の開きがあります。
図解:大人のVAPE使用率(国別)
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ニュージーランド11.7%
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イギリス10.3%
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アメリカ7.0%
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オーストラリア約4%
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日本約1%
出典:ニュージーランド保健省 健康調査 2024/25年度(15歳以上・毎日使う人)、ASH「Use of Vapes Among Adults in Great Britain」2026年(18歳以上・現在使っている人、550万人)、米国CDC 国民健康聞き取り調査 2024年(18歳以上・現在使っている人)、Mendelsohn ほか Addiction 2025年(豪州の成人)、JASTIS 全国調査 2025年(日本)。調査ごとに年齢の範囲と「使っている」の定義が違うため、順位の大まかな傾向としてお読みください。
上位の国には共通点があります。イギリスとニュージーランドは、紙巻きからの切り替えを公的に後押ししてきた国です。逆に日本とオーストラリアは、買える場所を強く制限してきました。ルールの違いが、そのまま普及率の差になっています。
使っているのは、どの国でも若い世代
年代別に見ると、どの国も同じ形をしています。20代前半が山で、年齢が上がるほど下がります。
図解:年代別のVAPE使用率(アメリカ)
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18〜20歳10.3%
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21〜24歳15.5%
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25〜34歳12.6%
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35〜49歳7.3%
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50〜64歳3.3%
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65歳以上0.9%
図解:年代別のVAPE使用率(イギリス)
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18〜24歳11%
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25〜34歳15%
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35〜44歳14%
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55歳以上6%
出典:米国CDC NCHS Data Brief 524(2023年)、ASH Smokefree GB 2026年(2026年2〜3月調査、13,259人)。イギリスは45〜54歳の値が公表資料に出ていないため省いています。
アメリカでは、若い世代で紙巻きとVAPEの順位が入れ替わりました。
- 18〜24歳(米・2024年)
- 紙巻き 3.4% に対し、VAPE 14.8%
- 65歳以上(米・2023年)
- VAPE は 0.9%。ほとんど使われていない
イギリスは少し形が違い、山が25〜34歳にあります。18〜24歳で「試したことがある」人は2025年の32%から2026年に39%へ増えましたが、今使っている人は2021年から11%のまま横ばいです。
男女比は「男性がやや多い」
紙巻きたばこほどの差はありませんが、どの国でも男性のほうが多くなります。
図解:男女別のVAPE使用率(濃い棒=男性、薄い棒=女性)
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ニュージーランド 男性13.0%
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ニュージーランド 女性10.5%
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アメリカ 男性7.6%
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アメリカ 女性5.5%
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オーストラリア 男性5.2%
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オーストラリア 女性2.9%
出典:ニュージーランド保健省 健康調査 2024/25年度(毎日使う人)、米国CDC NCHS Data Brief 524(2023年)、Mendelsohn ほか Addiction 2025年。
差は1.2〜1.8倍ほどです。日本の紙巻きたばこが男性25.6%・女性6.9%と約3.7倍開いている(2023年 国民健康・栄養調査)のと比べると、VAPEは男女の差が小さい製品だと言えます。
国のルールは大きく4つに分かれる
世界のルールは、おおむね次の4つに整理できます。
図解:VAPEをめぐる4つの立場
- 46か国・地域販売を禁止タイ、シンガポール、インド、ブラジル、トルコ、香港、台湾など。持ち込みや所持に罰則がある国も
- オーストラリア薬局でのみ2024年から薬局だけが扱える。20mg/mL以下は処方箋なしで薬剤師から購入できる
- 82か国規制つきで販売イギリス、EU各国、アメリカ、ニュージーランドなど。年齢制限・濃度の上限・広告規制つきで店頭に並ぶ
- 日本医薬品としての扱いニコチン入りリキッドは医薬品にあたる扱い。承認されていないため国内では売れない
出典:GGTC「E-cigarette Ban & Regulation: Global Status」2025年5月・2026年8月版。国の数は集計時点のもので、毎年動いています。
3つめの「規制つきで販売」の中でも、中身はどんどん厳しくなっています。
- 使い捨ての禁止
- ベルギー(2025年1月)、フランス(2025年2月)、イギリス(2025年6月)、ニュージーランド
- 味の制限
- 10か国ほどが、たばこ味・メンソール以外を禁止(オランダ、デンマークなど)
- 濃度の上限
- EUは20mg/mL。オーストラリアは2025年7月から50mg/mL
販売禁止の国の中には、持ち込みや所持そのものに罰金・拘禁刑を定めているところがあります。日本で認められている範囲であっても、その国の法律が優先されます。
日本は「加熱式の国」になった
日本ではニコチン入りのVAPEが売られてこなかった代わりに、たばこ葉を温める加熱式たばこが一気に広がりました。全国調査で2017年と2025年を比べると、その入れ替わりがはっきり出ます。
図解:日本での使用率(2017年 → 2025年)
出典:JASTIS(日本の「社会と新型たばこ」インターネット調査)2017〜2025年。VAPEは期間を通じて0.7〜1.3%で、図では約1%の横ばいとして描いています。中間の年の値は線を引かず、両端だけを結んでいます。
紙巻きは8.4ポイント減り、加熱式は6.4ポイント増えました。日本は世界最大の加熱式たばこ市場で、たばこ市場に占める割合は4割を超えています。一方でVAPEは、8年間ほとんど動いていません。
世界と比べると、日本の立ち位置ははっきりしています。「火をつけない」方向には世界のどこよりも早く進んだが、その手段がVAPEではなく加熱式たばこだった——これが日本の特徴です。
日本のルールと、いま起きていること
日本では、ニコチンを含むリキッドは医薬品に相当する扱いとされており、国内の事業者が販売・譲渡することはできません。一方で、20歳以上の方がご自身で使う分を個人輸入することは認められています。
2025年の夏ごろから「ニコパフ」という呼び名が広まり、2026年3月には、販売に関わった学生が摘発される全国初の事例が出ました。消費者庁は厚生労働省に対して、被害防止の対策を求めています。
個人輸入の数量の目安や手続きは日本のルールと個人輸入の決まりを整理した記事にまとめています。制度は変わることがあるため、最終的な確認は税関・厚生労働省の案内でお願いします。
まとめ
- 世界のVAPE使用者は1億人以上(大人8,600万人、13〜15歳1,500万人)。子どもの使用率は大人の平均9倍
- 普及率は国で大きく違う。ニュージーランド11.7%、イギリス10.3%、アメリカ7.0%、日本は約1%
- 使うのは若い世代に偏る。アメリカの18〜24歳では紙巻き3.4%に対しVAPE 14.8%と逆転
- 男女比は男性が1.2〜1.8倍。紙巻きほどの男女差はない
- ルールは販売禁止(46か国)/薬局のみ(豪州)/規制つき販売(82か国)/医薬品扱い(日本)の4つに分かれる
- 日本はVAPEの代わりに加熱式たばこが広がった国。2025年で加熱式11.7%、VAPEは約1%
記事中の数値は、WHO(2025年)、GGTC(2025〜2026年)、米国CDC、英国ASH、ニュージーランド保健省、JASTIS、厚生労働省の公開資料をもとにしています。調査の対象年齢や「使っている」の定義は国ごとに違うため、目安としてお読みください。
ニコパフの基本はニコパフとは何かの記事、日本のルールは違法かどうかの記事、たばこ全体の移り変わりはタバコの歴史の記事もあわせてどうぞ。

